なんか、いいな。

自分の好きなことを仕事に出来るなんて羨ましいし、それに…、凄く輝いてる。




「新田くんは、自分のやりたいことがちゃんとわかってるんだね。
私は目標も何も無くて、ただ毎日をぼんやりと生きてる感じだから、なんだか新田くんが羨ましい」


キツい仕事だとしても、新田くんはそれを「楽しい」と言う。

…私が「楽しい」と思えるモノ、好きなモノはなんだろう?






「先輩」


ふと、新田くんが薔薇のトゲを取りながら小さく笑う。




「 目標が無くたって、“何か”はあります」

「え…?」

「だから、先輩は先輩らしく進んでください」


柔らかなその笑顔が、私を見つめる。


「きっと、大丈夫です」


…新田くん…。




“いろんなこと経験して生きていけば、きっと“何か”を掴む。
だから焦るな。 目標が無くたって、“何か”は必ずあるんだから。”


“お前はお前らしく進めばいいんだよ。”




龍輝さんの言葉と新田くんの言葉が、ピッタリと重なる。

それと同時に、鼓動がまた速まっていく…――。