……今の1年生で、龍輝さんたち「四聖獣」のことを知ってる人は少ない。

ううん、「四聖獣と呼ばれる人たちが居た」ことは知っている。


だけど四聖獣はもう「伝説上の人たち」であり、彼らの姿や学校での生活ぶりを知る人は減ってきた。




そんな「四聖獣の龍輝さん」をこの人は知っていて、そして“私”が龍輝さんの彼女であることも知っている。

この人は、いったい何…?




「あぁそんなに警戒しないで。
俺、2年前の学園祭で先輩たちを見て、それで先輩に興味があって声をかけたんです」

「…え?」


「あんな恥ずかしいことが出来る人たち、他に見たこと無かったんで」

「…っ……」


それって…、あの「愛の告白大会」のことだよね…!?


……まさかこの人が、アレを見ていたなんて…。




「いつかお近づきになりたいなぁと思ってたんですよ、俺」

「あー…、そうなんだ?
んっと…それじゃあ龍輝さんと会って話してみる?
仕事終わった後ならいつでも…――」


「いえ、アナタとですよー」

「――…え?」


私と…!?