羽兎が感心したように声をあげる。
恵一も何か一つ学んだかのように、何度も頷く。
「お前は刑事なのに線条痕すら知らないのか」
「いやいや!違うから!ちょっと忘れちゃっただけだって!」
「……」
紘哉の彼を見る目が冷たい。
恵一は苦笑いをし、慌てて書類に視線を落とした。
「銃に関してあと二つほど。
あの拳銃は一回しか発砲されてない。
そして、服や身体にこげアトが付いていないことから、一メートル以上離れたところから撃たれたのが分かる」
「へぇ……花形さんスゴいね!」
「ケイがスゴいわけではない。鑑識が凄いんだ」



