恵一は勢いよく頷いた。
「もちろん!あ、友達もいるけどいい?」
「いいよ」
千尋がニッコリ頷く。
三人は肩の力を抜いた。
「大事件なんて言うからてっきり俺は、チーの家に二メートル程の大ゴキブリが出たのかと……」
「いや、さすがにそれは無いから」
「ですよねー」
空気が和やかになる。
その時、リビングのドアが開いた。
「お姉、あのさ……」
紘子が顔を出す。
千尋は隣に来るよう手招きをした。
素直に隣へ座る紘子。
千尋が口を開いた。
「ケイちゃんは知ってるかもしれないけど……私の妹の紘子です。
紘子、そっちの黒い男の人が三雲紘哉さん。
その隣が、妹さんの羽兎さんだよ」



