こちらミクモ探偵事務所5


「やたらと来るのよ。しかもその時に限って、夫が相手をするの」

「はぁ……で、それのどこが大事件なんです?」

「そのイチゴのセールスマンが去った後、夫の様子が変なの。
やたらと機嫌がよくて、あちこちに電話を掛けて……怪しいと思わない?」

「まぁ、言われてみれば……」

顎に手を当て、ふむふむと頷く恵一。
紘哉の眉間にもシワが寄る。

千尋はお茶を飲み、みどりの言葉を受け継いだ。

「だから二、三日お父さんの様子を見てて欲しいの。何か怪しいからさ。
こんな事をケイちゃんに頼むのもアレだけど……」

「それで呼んだのか……」

思ってもないチャンス。
本当は、こっちから直接尋ねようかと思ってたところだ。