「やたらと来るのよ。しかもその時に限って、夫が相手をするの」
「はぁ……で、それのどこが大事件なんです?」
「そのイチゴのセールスマンが去った後、夫の様子が変なの。
やたらと機嫌がよくて、あちこちに電話を掛けて……怪しいと思わない?」
「まぁ、言われてみれば……」
顎に手を当て、ふむふむと頷く恵一。
紘哉の眉間にもシワが寄る。
千尋はお茶を飲み、みどりの言葉を受け継いだ。
「だから二、三日お父さんの様子を見てて欲しいの。何か怪しいからさ。
こんな事をケイちゃんに頼むのもアレだけど……」
「それで呼んだのか……」
思ってもないチャンス。
本当は、こっちから直接尋ねようかと思ってたところだ。



