こちらミクモ探偵事務所5


そこへ、みどりがせかせかとお茶を持ってくる。
彼女はそれを皆に配ると、千尋の隣に座った。

「で、どうしたんだよ?急に会いたいだなんて」

恵一が話を切り出す。
紘哉と羽兎は思わず顔を見合わせた。

まさかこんな奴に春が来るとは……

しかし、二人の考えは呆気なく打ち砕かれた。

「別に会いたくなかったよ。ただね、家で大事件が発生して……」

「大事件?」

千尋の顔が曇る。
彼女の代わりに、みどりが説明をする。

「ここのところ、やけに頻繁なのよ」

「何がです?」

「イチゴ販売のセールスマン」

「……はい?」

意味が分からず、三人の口から間抜けな声が出る。
構わずみどりが話を続けた。