そこへ、みどりがせかせかとお茶を持ってくる。
彼女はそれを皆に配ると、千尋の隣に座った。
「で、どうしたんだよ?急に会いたいだなんて」
恵一が話を切り出す。
紘哉と羽兎は思わず顔を見合わせた。
まさかこんな奴に春が来るとは……
しかし、二人の考えは呆気なく打ち砕かれた。
「別に会いたくなかったよ。ただね、家で大事件が発生して……」
「大事件?」
千尋の顔が曇る。
彼女の代わりに、みどりが説明をする。
「ここのところ、やけに頻繁なのよ」
「何がです?」
「イチゴ販売のセールスマン」
「……はい?」
意味が分からず、三人の口から間抜けな声が出る。
構わずみどりが話を続けた。



