「ちょっと!俺の話を聞いてください!」

このままでは収拾がつかない。
恵一が声を上げる。
新井家一同は、一斉に彼の方を向いた。

「じ、じゃあ、説明しますね……」

五人の鋭い視線にたじろぎながら、手帳をパラパラと捲った。
落ち着きがないまま、話し出す。

「事件が起こったのは、3日前の23時40分頃の事でした。離れから銃声が聞こえ、駆け付けたところ、胸から血を流している中村さんを発見。
ここまではいいですよね?」

皆が首を縦に振る。
ここまでの流れは順調だ。

「ですが調査の結果、ここで1つ誤差が生じました」

「……え?」

また辺りがざわつく。
恵一は構わず、説明を始めた。