数が多くて、どれを使ったらいいのか分からない。
紘哉は千尋に訊いた。

「どの皿?」

「えーっと、そこの上にある細いやつ!」

「分かった」

上の方にある、白くて細長い皿を選ぶ。
それを出すと、他の皿の影に四角い何かがあるのが見えた。

「何だ……?」

マッチのような、小さい箱。
彼は千尋に皿を渡し、小さい箱を取り出す。

「……!」

何でこんなものが、こんな所にあるんだ。

紘哉が取り出した赤く、小さな箱。
それは、事件現場で見付けた弾丸と全く同じものだった。