「ご兄妹、仲がよろしいのね」
「まぁ、はい。昨年、交通事故で両親を亡くしてしまったので……」
「あら……それはご愁傷様です」
眉を下げ、申し訳なさそうにするみどり。
紘哉は首を振った。
「いえ、気にしないでください。な、羽兎?」
「そ、そうだね!お兄ちゃん」
「お兄ちゃ……」
紘哉の顔が小さく歪む。
恵一は苦笑いを浮かべた。
「こんなところで立ち話もアレですから、中へどうぞ」
そう言って、みどりは中へ入っていった。
三人の口から思わず長いため息が漏れる。
「えらい話盛ったな」
「うるさい。一番これが手っ取り早い」
「そうだけどさ……」



