「じゃあ、それをこっちに渡してもらえる?」
「……はい」
一瞬躊躇ったが、紘子は男に紙袋を渡した。
犯罪の片棒を担いだ気がしてしょうがない。
男は紙袋の中をちらっと見た後、満足そうに微笑んだ。
そして、紘子の顔を見る。
「中身見た?」
「見てない!」
反射的に嘘を吐く。
勢いよく言った紘子に向かって、彼は意地悪そうに笑った。
「本当に?」
「本当!だって、そんな訳の分からない紙袋の中身なんて見たくないし」
「そういう謎に包まれたモノって、余計に興味そそらない?」
「そそるけど、怖いから見ない」
これも全部嘘。
平然と答える紘子を見つめ、男は目を細めた。



