耳を近づけると微かに音がすることから、ちゃんと流れているのが分かる。
恵一は首をかしげた。
「曲が入ってないんですかね?」
「まぁ、時間はあることだし、取り敢えず最後まで聞いてみましょうよ」
羽兎に言われ、彼は頷いた。
MDの時間だけが進んでいき、一向に音楽が流れない。
「だけど、何でこんなのが事件現場のコンポの中に入ってたんだろう?」
「さぁ……」
二人の会話を聞きながら、紘哉は手を動かしながら考える。
事件が時の皆の行動をまとめるも、いまいちぱっとしない。
「こんなので、本当に大丈夫なのか……?」
こめかみを押さえて考える。
それでも何も分からない。
どんどんと不安になっていく紘哉だった。



