"また"ってことは、
前にあたしと遊んだ男か。

名前も顔も今まで忘れてたよ。


相手のことなんて一々記憶に刻みたくないもの。



「またお小遣い欲しいなぁ」

名前すら忘れた男に甘えた声を出す。

『由愛ちゃんはおねだり上手だな』


そう言って笑いながら男は歩き出した。

あたしも肩を抱かれながら歩く。




今日の相手は見つかった。

ここではあたしと似たことをしている、未成年の少女もそんなに珍しくない。

あたしも麻痺してしまってて、罪の意識なんかあまり感じなくなっていた。



自分を売るあたしと
その愚かな少女を平気で買う男。

2人の後ろ姿が闇へと溶けていく。




この夜にあたし達が作り上げるのは一瞬の温もりのみ。

そこに愛は存在しない。


なんでこんなことやってるのかって?


復讐したいから。
男達に…元彼に復讐したいんだ。


でも、本当はこんなの…
ただの言い訳に過ぎないのかもね。


あたしは愛されたいの。

見せかけじゃない。
本物の愛が欲しい。




こんな汚れたあたしでも愛されますか?


誰か…
あたしに愛を下さい―‐‐