その日から、私達は昼休みや休み時間に度々会うようになった。
私にしては珍しく由愛ちゃんとは意気投合している。
人気者の少女と地味な少女。
初め、この組み合わせに周りの子は驚いていたけど、段々そのネタも薄れていった。
本当に人間は飽きっぽいんだね。
モノに対しても
…人に対してでも。
もちろんその話題は恭哉の耳にも入ったよう。
私に友達が出来たことを自分のことみたいに喜んでくれた。
それは3連休が目前にせまった昼休み。
『ねぇ、李羽。
今度どっか遊びに行かない?』
学食の一番奥のテーブル。
いつもと同じ席で由愛からの提案。
最近、由愛は私を名前で呼んでくれるようになった。
私も彼女を由愛と呼んでいる。
「うわぁ、本当に?」
親しい友達なんていなかった私にとって、恭哉以外と遊ぶなんて本当に久しぶりのこと。
『そんな嘘つかないよ。
あたし結構イイ店とか知ってるから。いつにしよっか?』
由愛はポケットからキラキラのストーンがついた携帯を取り出す。
対して私の携帯はストラップすらついてない。
本当に違う世界で過ごしてたんだな、と思う。
『じゃ、日曜でどう?
予定とか大丈夫?』
携帯のカレンダーを向けられる。
「全然大丈夫。
私いつだって暇だもん」
『そう。
なら日曜で決まりね』
由愛が嬉しそうに笑った。
次の瞬間。
由愛の携帯に電話がかかってきた。
画面には【シュウ】という名前。
それを見て一瞬、
由愛が表情を曇らせたのを私は見逃さなかった。
