立つ場所は決まってる。
駅前近くの通り。


ここはキャバクラやホストクラブ゙とか、そういう店への入り口。

無駄に綺麗にライトアップされ着飾った通り。


妖しいライトの下にあたしは立つ。

本当に立っていたのは…
絶望と孤独の淵なんだけれど。



ちょっとスカート丈を短くすれば、この時間帯の大人達はすぐに寄ってくる。


目の前のビルのネオンが眩しい。

"電気代、相当喰うんだろうな…"
なんて考えてると、


『ねぇ、誰待ってんの?』

早速男がやってきた。


振り向くと、見るからに遊び人って感じの奴。

こいつ、多分学生だ。



「ううん。
一緒に遊ぶ相手探してるの」

上目使いで男を見上げる。

『うわ、マジ?
俺なんかどう?!』

明らかに下心見え見えな喋り方。

目付きからして寒気がする程気持ち悪い。




「いいよ。
…で、いくら払ってくれる?」

あたしは挑発するようにニヤッと笑う。

『えぇ〜!
今、金欠でさ〜。
1万しかないんだけど』

「そっかぁ。
ごめんね、他の子探すわ」

『あ、ちょっと!!
頼むって。俺学生だから、学割とかしてよ?』

「ごめんね」


ニコッと笑ってあたしは背中を向けた。