由愛ちゃんを見ると、無表情に近い顔をしていた。

一気に罪悪感が押し寄せ、胸が苦しくなる。



誰にも相手にされない私にわざわざ会いに来てくれたのに、本当何やってるのかな…





『…初めてよ。
"楽しい?"って聞かれたのは』

自己嫌悪に陥っていると、聞こえた由愛ちゃんの声。



『毎日あたしの近くにいる子でも、気付いてくれたことなかった。あんたとは、まだ2回位しか会ってないのにね。…本当に訳分かんない奴』

由愛ちゃんは小さく乾いた笑い声を漏らす。


その表情は
哀しみに満ちていたけど、逆に安心したようにも見えた。




『皆あたしの表面しか見てないのよ。仲良くしてるのは作り物の"由愛"。
中身知ったら…一気に離れてくに決まってる』

由愛ちゃんは嘲笑を浮かべながら話す。



『あんたは…あたしの中身を知ったら、どんな反応するんだろうね』

諦めたように微笑んで、由愛ちゃんはジュースを飲んだ。


私も半分以上氷が溶けてしまったジュースを飲む。




恭哉以外とは滅多に話さないのに、なんで由愛ちゃんとは普通な感じで話せてるのかな。


さっき由愛ちゃんも似たことを口にしていたね。

なんだか不思議な気分。



たくさんの友達を持つ由愛ちゃん。

いつも一人でいる私。


一見、全く正反対に見えるけど、実は似ているのかもしれないね。