『レイプされて、由愛が辛い思いした事くらい分かってんだ。消せない記憶だって事も分かってんだよ!!

でも、その傷の上に更に自ら援交なんか重ねて何になんだよ?それこそ何も変わんないだろ?!』


シュウにガシッと強く肩を掴まれる。

その両手は、少し震えていた。



『援交なんて、由愛が辛くなるだけだろ?やめろよ…』

「は、離してよ…!!」


今目の前にいるのは、本当にシュウなんだろうか。

そう思ってしまう程、シュウの瞳は真剣だった。普段のチャラチャラした雰囲気なんて、どこにも感じさせない。





『由愛が本当に欲しいモノは何?金?愛?俺には…それを補ってやれる力はないのか…?』


まるで、あたしの心に直に語りかけるような切ない声。



お願い…
そんなに優しくしないでよ。


そんな言葉を掛けてもらいたい人は、シュウじゃないんだ。

本当にそうやって受け入れて欲しい人が、あたしには他にいる。




今にも地面が崩れてしまいそう。一度崩れてしまったら、もう立ち直ることなんて出来ない。



そしたら、

ちぃちゃんが…――






「――離してって言ってんでしょ!!」

言うと同時にシュウを突き飛ばす。

『なんで……』

よろめきながらシュウが呟いた。


「あんたじゃ無理…あたしが本当に受け入れて欲しいと望むのは、あんたじゃないもの…」

小さな声で紡ぐのは、こんなあたしを気にかけてくれているシュウを傷付ける言葉。