そう。
あの夜に壊れたの。

まだ今でもはっきり、色濃く思い出せる――‐






1年前。

当時のあたしは至って普通な中学生だった。


あたしには中2の終わりから付き合っている彼氏がいた。

名前は…リュウジ。


誰にでも優しくて、常に穏やかな笑みを携えていた。

当然、みんなから好かれているヤツだった。




あたし達の仲は周囲も羨ましがる程、上手くいっていたと思う。

でも…リュウジはあたしに不満があったらしい。


あたし達はキスはしたけど…一度も体を重ねてはいなかった。

リュウジはヤりたがっていたけど、あたしが拒んでいたから。





そのまま月日は流れ、中3の秋。

あたしは依然と体に触れさせはしていないまま。



そして――‐

今でも忘れられない、あの出来事が起きた。