男なんてそんなもんだと割り切ってるから?

あたしの心は既に壊れてるから?



壊れてしまった心は…

他人の痛みすら感じ取れなくなってしまったんだろうか。





「だから…言ったじゃない。男なんて、そんなもの――」

『ユキちゃんは違うの!!』

あたしの言葉を遮り、ミノリはムキになる。


『ユキちゃんは…由愛ちゃんが思ってるような人じゃない。

だって、ミノリを止めてくれたんやもん。”こんな事してちゃダメだよ”って。初めて会った時、ミノリには一切触れずに優しく、そう叱ってくれたの――』

その声は徐徐に小さくなっていき、終には泣き声へと変わった。



ミノリの言い分を聞いた時何故か、浮かんだのは蒼。

同時に少しだけ…
その男を信じたいというミノリの気持ちも分かった気がした。