~恋歌side~
私は気が付いた時から、
完全に涼希への気持ちを完璧に消せる訳がなく、
あやふやな気持ちのまま、過ごしてきた。
だって、
茜も彩夏も涼希が好きで涼希は彩夏が好きなんだもん。
知ってただけなら、諦めなかったと思う。
でも私の立場は、三人の相談者。
みんなを苦しめてまでみんなに、自分の気持ちを
伝えたくなかった。
これ以上みんなを苦しめたくなかった。


…でも正直、茜とか彩夏はあんまり涼希と
関わってきていない。
たいして、喋ってたわけじゃない。
そんな人達と涼希が結ばれるのは
少し嫌だった。いや、嫌だった。
だって、途中切れたりもしたけど
私は涼希を8年間近く好きだった。
それが、たった3ヶ月前に好きになったような
人達にとられるなんて…。

そんな気持ちのはずなのに、
なんか知らないけど、彩夏にアイツの最近の話をして
照れたり、うれしがったり、浮かれてる、
彩夏の顔見てたら、どうでも良くなっちゃって
もっと彩夏に幸せになってほしいと思っちゃって…。

そんな2つの矛盾した気持ちが混ざって、
辛かった。
でも、そんな事を相談できるわけないし。

もう、どーでもよくなってた。



そんな時にあんな展開があって…。
そっから2週間。
いつも通りの昼休み。

友達A「ねーねー。聞いたぁ?」
恋歌「なになにー?」
彩夏「またアイドルかなんかの話!?」
友達A「ちげぇーよ(笑)茜と宙人付き合ってるらしいよ!  彩夏、一組なのに聞いてないのー?仲もいいのに。」
彩夏・恋歌 「え!!?」
友達B「Aー?この前のさぁ…。」
友達A「なにー?」
Aはどっかに行ってしまった。
私と彩夏は、目を合わせて混乱した表情をしていた。

彩夏「どうゆう事?恋歌、なんか聞いてた?」
恋歌「全然。いいにくかったのかな?うちらに。」
彩夏「…うん。多分。」
恋歌「とりあえず、茜のとこ行こう?」

そんな話をして茜のとこへ急いだ。
茜はちょうど向かい側から歩いてきた。

茜「あー。ごめん。トイレ行ってた(笑)」
彩夏「ねー、茜。うちらに隠し事してない?」
茜「いや、別に。ってか、急にどうしたの?(笑)」
恋歌「茜、宙人と付き合ってるの?」
茜「え?」
茜は、驚いていた。まるで、誰から聞いたの?という
表情で。