～彩夏side～
私は彩夏。
最近は、ずっと悩んでた。
きっと、
恋を取ったら茜とはギクシャクしてしまうだろう。
友情を取って諦めたら、きっと涼希とはもう話せない。
両方取ることにしたら、必ず両方失うだろう。
このままの私なら涼希とうまくいくわけないし、
どっちも両立なんて出来るはずがない。
…両想いになれたのに。
涼希が諦めたのは、涼希のためじゃない。
私と茜の仲を悪くさせないため。
…最後まで優しいから、辛いよ。
ひどいよ。
最後まで優しくされたら、諦めるにも
諦めきれないじゃん。
嫌いになれないじゃん。
お願い。
「お前なんかきらいだ。好きになったとか冗談だし。バカじゃね？」
って言って？
せめて、諦めたいよ。
お願いだから、優しくなんかしないでよ。
私は、私の中で涼希を最悪な人間に変えようとした。
最初から、たまたま私を見かけて、まぁコイツでいやって好きでもないのに考えたんだ。
絶対にそうだ。
好きでもないのにノリで恋歌に言っちゃって
告白まで話が言っちゃって
どうしようか、悩んでた時に茜の気持ちを知って
二人の仲を悪くさせないためとか、いいながら
利用したんだ。
そう考えたかった。
だって、考えれば考えるほど
涼希の優しさに
惚れ込んで、好きが増してしまう。
…でも、無理だった。
涼希はいつまで経っても
私の中で優しくていい人。
無理して涼希を最悪の人に仕立てあげても無理。
あの頃の涼希を信じたくて仕方がなくなる。
未練がましいけど、涼希のこと
…諦められないよ。
涼希の優しさが辛い。
もうきっと、涼希とは普通に話せないだろうな。
なんで、この世の中。
好きな者同士が結ばれないの？
好きな者同士が結ばれるのが一番いいのに。
