~彩夏side~
茜の衝撃的な発言を聞いてから一週間が経った。
あり得ないくらいくらい、気持ちが重かっ
た。

教室に入っていくのも、気が重い。
すると、

「おはよ!彩夏。」
茜がいつもと変わらない様子で挨拶をしてきた。
「…おはよ!」
元気に返しといた。

~休み時間~
「彩夏…。好きなんでしょ?涼希の事。嘘ついて自分の気持ちにうそつかないで?認めてくれたら、私は諦める。」

茜は予想外の言葉を発した。
「え?…うん。好きかもしれたない。」
認めてしまった。ついに。でも、返ってきたのは衝撃的なことばだった。

「…。でもさ、茜の方が先に好きになったから、…ね?譲って?」
(え?認めたら譲るって今、言ったじゃん?え?)


今すぐにでも泣き出したい気持ちを必死に押さえた。

今日は茜が用事があり、恋歌と帰った。
今日の出来事を全部話した。
泣きそうなのを必死にこらえて。

思ったこと、全部ぶちまけた。
恋歌は、全部、黙って聞いていてくれた。
でも、全部ぶちまけたら、泣き出しちゃった。
我慢できなかった。
茜に言われたのが余計辛かった。
だって茜は大切な友達だから。

最近の茜は、テンションが低く「辛い。」が口癖だ。
私の近くで、ずっっっっっと「辛い。」って
言っている。
でもね?茜。
辛いのは、茜だけじゃないんだよ?
みんな、辛い想いをしながら、
泣きたいのを我慢しながら、
闘いながら毎日を過ごしているんだよ?


「茜が先に好きになったから」?
私も、前から好きだったよ?
いや、恋って順番なの?早いもの勝ち?
恋は順番じゃないよね?
もし、好きな人がいても、その人の事を好きな人がいたら
好きになっちゃいけないの?