優華に連れられて行ったのは、いつも恋の話をしていた
階段だった。

優華の顔は、いつもとは、全然違っていた。


「…恋歌ごめん。」
「なにしたの?謝られる事されてない。」
「恋歌にお願いしたいことがあるんだ。」
「なにー?出来ることならなんでもやるよ!」
「…うん。あのね?涼希と喋らないで欲しい。」
「…え?」
「私、涼希の事好き過ぎて妬いちゃうの。だから、恋歌を嫌いになっちゃう前にお願いしたかったの。」
予想もできなかった衝撃的な言葉。


…でも。でも、私は涼希に応援するって言ってしまった。
それに、涼希は普通に友達として好きだった。
今までのように「関わるな」と言われても、
無理だった。急に「話すな」と言われても無理だ。
というより、涼希と話せなくなるのは嫌だった。

突然の優華の発言に、驚く私。

「恋歌?」
優華に呼ばれハッとした。
「…うん。わかった…」
「ありがと。じゃあ、後で。」

優華はどこかに行ってしまった。
1人になってやっと、優華に言われた、
言葉の意味がわかった。

もう、何も考える事ができなくなっていた。
突然のお願い。
いつもは、「優華のために」と思ったのに
これだけは、お願いされても、
できる自信は、なかった。



でも、私は最低かも知れないが二人共応援する事に決めたのだ。
だから、優華には、直接話そうと決めていた。