いやいやいやいや。待って。
姫川藍羅、ファーストキスが学年の王子様ってどういうことだ。
おかしいよ。
私は混乱しながらも脳内ではそんなことを考えていた。
「ん.....ぅ.....っ!」
苦しい。息ができないって。
口を開けた、そのとき。
私の口の中に、熱いなにかが入ってきた。
「っ、ふぇ.....っ!?」
私の口の中に入ってきたのは、高橋君の舌だった。
口の中に慣れないものが入っている感覚がして気持ち悪い。
どうにかして自分の舌との接触は避けたい。
........んだけど。
高橋君の舌がとうとう私の舌をとらえる。
「んん....!!っは、高橋君っ!やめ.....っ!」
まさかファーストキスが王子様でそしてディープとは。
吃驚だね。
そして高橋君は唇を離した。
「どう?初めてのキスは」
そしてどうやら私が初めてというのも知っていたらしい。
「.......なんで」
「なにがさ」
