高校一年生、近くのバカ学校に通う、わたし。松浦ゆみ、16歳。
世間的には青春って呼ばれるこの時期。

周りの女の子は、流行りのアイドルグループやイケメンと呼ばれるものに夢中で、黄色い奇声を発し、そんな自分が何よりも可愛い。

大抵の女子高生の周りの女子に対する「可愛い」は、自分を守るための呪文。

「可愛い」は絶対。必然的に可愛い女の子の地位は高くなる。
多少性格が悪くても、可愛い子には周りが優しく、男達がひれ伏す。
大人や一部の先生たちも優しくなる。

私は特別可愛いってわけでもないけれど、まあそこそこだとは思っている。

クラスの権力者と仲良しになりたければ女子はたとえブスだとしても可愛いのシャワーを浴びせる。

それが暗黙のルールだ。
私はそのルールが大嫌いだ。

だから私の自尊心は、滅多に他人をほめようとはしない。