「樹里を裏切ることは出来ない。」 結稀はこれが私の答えなんだと受け入れているようだった。 「泣くなよ、お前らしくないなぁ。」 結稀は妹を慰めるかのように私の頭に手を置く。 その表情を私は見ることが出来なかった。 私は自分の気持ちさえもまともに伝えられない。 もう、どの道に転んでも今までの関係には戻れないと心の片隅に感じていた。 「結ちゃん・・・。」 私は小さい頃、よくそう呼んでいた。 「ん??」 私の頭をポンポン叩きながら結稀は返事をする。 「結ちゃん・・・好きだよ。」