その日の夜、私は結稀に電話をすることにした。 コール音が、今までで一番長く感じた。 「もしもし。」 出たのは結稀のお母さん。 「あ、もしもし・・・。」 「あ、絢ちゃん?久しぶりねぇ!もうこっちに来てるの?」 「え、まぁ・・・。」 そんな会話をしていると、電話の奥でドタドタという音が聞こえた。 「こら!結稀!」 おばさんの声が電話口で響く。 「もっ・・もしもし!?」 息を切らした結稀が急に電話に出た。