話が少し戻るけど、私が高校の推薦入試を受ける少し前、しばらくぶりに咲から連絡があった。



咲から告げられた衝撃的な出来事・・・



それは、咲の妊娠だった。





私たちはまだ15歳の中学生。



義務教育の真っただ中。



すでに妊娠六か月。



だけど、周りは意外なほどあっさりしていて、すぐに咲と柚也兄ちゃんの結婚が決まった。




むしろ、結稀がいなくなったさみしさを、生まれてくる新しい命で埋めるように喜んでいた。




咲には両親がいない。


だからこそ、早く家族がほしかったのかもしれないと今では思う。




だけど、成績優秀で真面目な咲が高校進学を選ばないで家庭に入ることを決めたのは本当に驚きだった。




出産予定日は四月。


ちょうど、高校の入学式あたりだった。




もちろん、お腹の大きい咲は体裁のために中学の卒業式に出席することもなかった。