はぁ、もう、帰る時間だ。時が過ぎるのは早いな。
「よいしょ」無意味な声を出して立ち上がる。はぁ、家に帰るの面倒。あぁ、帰るか!教材が入った鞄を、ダラダラと持ち上げた。廊下に出たら美紅が居た。
「一緒に帰ろっ!」
「ん、いいよ」
「実は・・・」
また、始まった。愚痴が、
でも、今日は違った。
「私、好きな人出来た。」
「へ~、おめでと。」
「誰だと思う?」
「わかんない。」
「正解は・・・。しょうた」
「へ~って、えぇぇぇぇ?!」
「うふふ。」
「そ、そっか、頑張って」
うそ、そんなの、駄目。美紅はかわいいし、男子に人気がある。きっと、将太だってイチコロだよ。美紅が、ライバルって無理だよ。
「凛?もう、家着いたよ?」
「あっ、ごめん。」
「うん、じゃあね。」
「バイバイ」
「ただいま」
私は、自分の部屋に向かった。
「ふぅ・・・疲れた。」
♪~♪~
「ん、誰からだろう」
あ、将太・・・・
って、電話?
「もしもし?」
『あ、出た。』
「なに」
『あのさ、俺、好きな奴出来た。』
「そう、おめでとう」
『明日、詳しく教える』
「はいはい、じゃ、バイバイ」
『あぁ』
馬鹿。

