君想い


授業が始まった。

「ぁ」


将太が、小さな声で、言った。


「どうしたの?」
「失恋した後は、すぐ近くに大切な人が居ることに気づくんだって」

そんな、顔で微笑まないでよ。

「それって、私だったりして」
「ははっ」
「なぁんてね。」
「いや、そうかもね」
「ぇ」
「初恋は実らないって言うしね。」
「?」
「なぁ、夏祭り・・・一緒に行く?」
「えっ、あ、う、うん」