「緑がキレイだねー。なんか瑞々しいっていうかさ」 「だなー。気持ちいいな」 5月の今は、芽吹いた緑たちが生き生きしてる。 あの日の落ち葉の道も良かったけど、 小さな花や葉っぱが顔を出している今の道は、新しい季節の始まりを感じさせてくれて心地がいい。 「今日はすべるなよ?」 「大丈夫大丈夫。ハル兄が落ちそうになったら、あたしが助けるよ!」 「頼もしいのか何なのか」 苦笑したハル兄が、手のひらを差し出してくれる。