「よし、到着」 「わーい♪」 「ホントにここでいいのか?」 「うん! ここがいい」 着いたのは、県民の森。 あたしが受験生だった頃、体育の授業としてハル兄が息抜きに連れてきてくれた場所だ。 「何でまたここなんだか」 「だって。ハル兄が最初に連れてきてくれたところだもん」 あの時、お日さまの下で一緒にお昼寝をして。 ハル兄に恋するきっかけになった、思い出の場所だから。 もう一回、ふたりで来たかったんだ。