「い、います!! 彼氏、います!!」 誤解を招かないように、1歩下がって距離をとる。 思わず出た大声に、 「それは残念」 先輩はそんなことを言って、くすくすと笑った。 「面白い子だね、眞緒ちゃん」 「あ、ありがとうございます」 「褒めたわけじゃないんだけど」 「そ、そうですか」 頭をかくと、くすくす笑いは、声付きのものになった。