「どーしたの? 腹でも痛い?」 ふいにかけられた声に顔を持ち上げると、 階段を上ってきたらしい男の人がそこにいた。 あちこちで見かけた、どのイケメンよりもイケメンだ。 ……あれ? この人って…… 「もしかして……村瀬先輩? ですか?」 「あれ? オレのこと知ってる?」 「あ、えっと、マリンスポーツサークルの、副部長さん……ですよね?」 「うん。ああ、もしかしてサークルの子?」 「あ、はい」