「は、ハル兄っ、これって、わざとでしょ?」 「ん? なにが?」 「何がじゃなくてっ。このTシャツ1枚で十分とか、ホントはそう思ってなかったでしょっ」 「いや~? ちゃんと足りると思ったけど。お前、ちっこいし。大学生になってちょっと大きくなったか?」 「もうっ! 絶対ウソだっ。あたしが困るの分かってて楽しんでるでしょっ」 「まあ、うん。当たり」 ふっと笑ったハル兄は、ごくごくと残りのビールを飲み干して立ち上がった。