「ふうっ……はぐっ」



もだえる顔を見て、オレは腹の底から笑った。


そして、



「……お前が幼なじみで良かった」



頭を抱え込んで、思い切り抱き締めた。


たぶん、そんなこともなかったら、出会ってなかったよな。



お袋とおばさんが親友同士で良かった。


お前のカテキョをやって良かった。


お前がオレに惚れてくれて良かった。



そういういくつもの偶然が重なって生まれたこの奇跡に、感謝したい。