「19歳、おめでとう、眞緒」 「……ハル兄……」 「19歳の誕生日にシルバーリングを贈られた女の子は幸せになるって聞いたからさ」 「……」 「あれ? ひょっとして間違ってたか……?」 指輪のはまった手を見つめたまま黙り込んでしまった眞緒の顔を覗き込む。 正直なところオレは、アロマとか占いとかジンクスとか……そういうことにめっぽう疎(ウト)い。 19歳のリングのことだって、あの時、流川君から教えられなければ、全く知らないままだった。 っつーか、あの話、本当なんだろうな?