緊張しているのか、慌てているのか、 箱の包みを開く眞緒の手がわずかに震えている。 両手を添えて手伝ってやると、 出てきたものに一瞬息を飲んだ眞緒は、驚いた顔でオレに振り向いた。 「ハル兄……これ……」 「うん。シルバーリング」 「あ、あたしに?」 「当たり前だろ? お前の誕生日なんだから」 「わ……わぁ……どうしよう……嬉しい……」 指先でそっとつまんだ指輪を、眞緒はじっと眺めている。 後ろからそれを取り上げたオレは、 細い指を取って、薬指にそっとはめ込んだ。