「眞緒ちゃんも村瀬先輩狙いだったりする?」 「え? あたし?」 いきなりふられてあたふたと首をふる。 「あたしは全然、そんな気ないよ」 「よかったー。競争率は少しでも低い方がいいからさ。新入生はほぼ村瀬先輩目当てだと思うし」 「そなの?」 「そうだよー。眞緒ちゃんって、もしかして鈍感?」 ぷっと笑われて、「はて?」と首を傾げる。 ハル兄に再会するまで、特に恋愛に興味のなかったあたしは……もしかしたらそうなのかも。