振り向いたわけでもないのに、眞緒の顔が赤く染まっているのが伝わってくる。 それが可笑しくてわざと引き寄せた体を、自分のひざのうえに乗せた。 「あ、あの、ハル兄?」 「ん?」 「今日は……ホントにありがとう」 「ん」 「すごく美味しかった。ハル兄の料理、ホントに好き。あと……ハル兄は、もっと好き」 ……バカ。 この状態で、そういう可愛いこと、言うなよ。 返事の代わりに、首筋に顔を埋めて口づける。 「……んっ」 くすぐったそうに肩を上げた眞緒は、オレの腕をきゅっとつかんだ。