気泡の抜けた液体を口に含む。 甘いはずのそれは、少しだけ苦くのどを通り過ぎていった。 「それこそ身勝手だよな。独りよがりのおかしな自信だよ。お前が離れていかないなんて保証はどこにもないのに。 こんなにはっきりクマができるまで悩ませて不安にさせておいて……何をやってたんだろうな、オレ。 もう少しでお前のこと失っていたかもしれないのに。……ごめんな」 自嘲気味な笑顔を向け、そっと頬に触れると、 「うん……うん……」 小さく何度もうなずいた眞緒は、丸い目の中いっぱいに涙を浮かべた。