やっと見つけた就職先で、とにかくオレは、成果を出すことに必死だった。 朝も夜もないような生活で、仕事以外のことを考える余裕など失っていた。 “来ちゃった” そんなオレの状況も知らず、突然こいつがやってきて。 口に出すことはしなかったが、あっけに取られると同時に、お前は呑気でいいなとさえ思った。 ……さて、どうするか。 自室での個人指導とはいえ、仕事の延長には変わりない。 眞緒が外で時間をつぶすと言った時、正直、面倒をみずに済んだことにほっとしたのも事実だ。