とりあえず、その辺のところは後で問い質すとして……
「お前の気持ち、素直にうれしかったよ」
「あたしも……ハル兄が腕を引いてくれたとき、すごくうれしかった」
視線を合わせ、どちらからともなく穏やかな笑みが漏れる。
「ごめんな、放っておいて」
「……ううん。あたしも……迷惑ばっかりかけてごめんね」
「オレな、東京でのあの日、お前が急に来たりとか、夜に呼び出されたりとか、
正直、イラッときたのは事実なんだ」
「……うん」
「いや、お前はまだ十代だし、オレより子供なのも当然だし、突拍子もない行動を取ることがあるのも分かってるし、
それを受け入れるだけの余裕を自分は持ってっるって自信、あったんだよ。
でもな、仕事が忙しくてそんな余裕なんてどこかにいっちまってて。自分のことだけで、精一杯になってたんだ」


