――あの時。 オネエの前から駆け出して駅前に差しかかると、路地に入る手前に眞緒の後ろ姿を見つけた。 ほっとしたのもつかの間、隣にいる男と手をつないでいることに気づき足が止まる。 「……何してんだよ」 こっちは心配で汗を流しながら探していたっていうのに。 仕事の打ち合わせもそこそこに、祝ってやろうと戻ってきたんだぞ? マジで……何してんだよ。 無性に腹が立ち、怒りにまかせて足を進めた。 が、あと少しのところまで近づいた時、相手の顔に見覚えがあることに気づいた。