急いで出勤の準備をし、部屋を出て、
発車しかけの電車に飛び乗ると深いため息が漏れた。
……最近は、気づくといつもこれだ。
窓に映る疲れた自分の顔を眺めながら、小さく笑う。
そういえばあの日も、こんな顔をしていたっけ。
余裕のなさは、表情にも声にも表れる。
もちろん、態度にも。
“気をつけて帰れよ”
あの時、改札で機械的に発した言葉に、小さくひとつ、うなずいただけの眞緒。
……あれからずっと、元気がなかったのか。
原因は確かに、オレにあるよな。
うまくやっているんだとばかり思っていたけれど。
いや……、そう思うようにしていたけれど。


