「ね、ハル兄ってば……」


「お前さ、なんでいつも肝心な時に電話に出ないんだよ」


「……へ?」


「電話したんだぞ、さっき」


「で……電話? ……くれたの?」


「ああ」



ぶっきらぼうに返事をすると、眞緒はうつむいて黙った。



「待ち合わせしてる時も、オネエの誕生日の時も、連絡つけたい時に限っていつも出ないだろ」



「……ごめん。バイブにしてるから気づかないことが多くて……。今日は、置いてきちゃったみたいで……」