「オレとの方が、眞緒ちゃん、楽しんでくれると思うんですけど。 オレがボードの先生をしてる時も、一緒に花火をしてる時も、すげー楽しそうにめっちゃ可愛い顔で笑ってたし」 「……」 「好きな子の寂しい顔、見るのイヤなんです。オレ」 「……」 「いいですよね? 引き受けても」 「……いいわけないだろ」 「えー? ずっと放っておいたのに?」 「とにかく、ダメだ」 そう言って組んでいた腕を解いたハル兄は、 「……きゃっ……」 あたしの腕をぐいっと引いて、先輩から遠ざけた。