「で、先輩。眞緒ちゃんのことなんですけど」 改まった口調で、先輩はハル兄に向き直った。 「今夜、眞緒ちゃんのこと借りようと思ってたんですけど……いや、もらっちゃおうかと思ってたんですけど、オレ」 先輩の言葉に、ハル兄の眉根が寄った。 「先輩ってほら、昔からあんまり感情を表に出さない人だったじゃないですか。 冷静でしっかりしてるって言えば聞こえはいいかもしれないけど。 生徒会室に押しかけてくる女の子に対しても曖昧っていうか、そのせいで勘違いしちゃう子もいたり」 「……そうだったか?」