「眞緒ちゃん……?」 「……ひくっ…」 先輩の唇が触れる直前に、あたしはうつむいてしまっていた。 「……ごめん……やっぱりイヤだった?」 「そ、うじゃないんです……でも、でもあたし……」 「……ん?」 「……あたし……」 まだ…… ハル兄のこと、……忘れることなんて、出来ない。