「彼氏のこと、思い出してるんだろ?」 「……ひく……」 「誕生日なのにこんなふうに泣かせる彼氏なんてこっちから捨てればいいんだよ。 オレが……大事にしてあげるから」 先輩の言葉が、胸に響く。 「……せ……んぱい……」 「な? 泣かないで。見ていられないよ、可哀そうで」 あたたかい両手が、涙で濡れたほっぺを包み込んだ。