――ドキン…として、そっと横顔を見上げる。 先輩は、そんなあたしを優しいまなざしで見下ろしていた。 「ね、眞緒ちゃん」 「……はい?」 「あの時さ、中途半端になっちゃってたよね」 「……あの時?」 「うん、ほら、海で花火やったとき」 「あ……」 先輩が言おうとしていることに気づいたあたしの頬に、ほんのり熱が込み上げる。 思わずうつむくと、先輩は繋いでいた手をきゅっと握り直した。